「曖昧なまま、まず投げていい」──会社の未来をつくる7年目が、まめこ社長を”壁打ち相手”と呼ぶ理由
2026.3.23

AI社長 導入事例|老舗和菓子店の総務・育成担当による戦略的活用
企業名: 株式会社豆子郎
事業内容: 和菓子の製造・販売(山口県内12店舗展開)
従業員数: 約85〜90名
創業: 創業78年(戦後創業)
代表: 田原 文栄 社長
導入サービス:AI社長「 AIまめこ社長」
導入期間:1年
お話を伺った方: 岡村 玲奈さん(総務部 / お客様窓口・SNS広報・採用・入社7年目)

はじめに
山口県で12店舗を展開する老舗和菓子店・株式会社豆子郎。
戦後創業から78年、地域に根ざした和菓子づくりを続けてきた企業です。
今回お話を伺ったのは、総務・採用・育成・SNS・広報を幅広く担う岡村玲奈さん(入社7年目)。AI導入に最初「思考力が衰退するんじゃないか」という懸念を持っていたスタッフのひとりです。
そんな岡村さんが今、AIまめこ社長をどんな場面でどう使い、
何を得ているのか——組織の「これから」を見据えた立場から
語っていただきました。
導入の経緯 ──「AIが入る」と聞いて感じた、プラスとマイナス
── 最初にAIまめこ社長の導入を聞いたとき、どんな印象でしたか?
「結構プラスもマイナスもどっちも印象抱いていて。プラスの面で言うと、導入説明会でみんなで実際に使ってみるワークがあったんですけど、
ここまでちゃんと答えてくれるんだっていうところに一気に信頼度は上がった印象が最初はありました」
——マイナスの面はどんなことでしたか?
「人の思考力というか、考える力が衰退しないかというのはすごく感じていて。ベテランが使うのなら幅が広がると思うんですけど、新人が最初からAIを使って気軽に答えをもらうと、考えるフローがなくなるんじゃないかと」
——実際に使ってみて、その懸念は現れましたか?
「採用の仕事の中で、後輩の子が初めてプレゼンするってなったときに、理念の理解がまだ浅い状態で、本来は社長と直接すり合わせた方がいい場面でも、『じゃあとりあえずAIまめこに聞こう』みたいな使い方をしていた瞬間はあって。人の成長という面でどうなんだろう、って感じる瞬間は今もあります」
採用・育成を担う立場として、岡村さんが「ツールの便利さ」より先に「人の成長」を気にしたのは自然なことでした。その懸念は、実際の運用が始まってからも消えることなく残り続けます。

AIまめこ社長との対話 ── “壁打ち相手”として使うとわかったこと
岡村さんが自分なりの使い方を見つけたのは、「答えをもらう」ではなく「考えを整理する」場所として使い始めてからでした。
——実際にはどんな場面でAIまめこ社長を使っていますか?
「いろいろ社長に提示する企画や提案みたいなものも、一度AIまめこを通したりとか。『ここに不足情報ないかな』とか『軸ずれてないかな』みたいなのを一旦AIまめこに上げてフィードバックもらって、ブラッシュアップかけて社長に出す、みたいなことをしています。
その「ヒント」の出し方に、AIまめこ社長らしさがあります。日報での問いかけ場面では、こんな言葉が届いたといいます。
──AIまめこ社長より
「お客様の喜びにつながった瞬間はどういうものでしたか? そこから何が得られましたか?」
── この問いかけを受けて、どう感じましたか?
「それって、考えさせる関わりなんです。答えを渡すんじゃなくて、自分で振り返るきっかけをくれる。だから使い方次第で、思考力を奪うんじゃなくて、思考を深める方向に持っていけると感じました」
AIまめこ社長との付き合い方の本質が、ここに凝縮されていました。
——なぜまめこ社長に先に投げるんですか?
「AIまめこ社長には、曖昧な状態で一旦投げていいんです。
こういうの考えてるんですけどどう思いますか、って聞いたら、ヒントをもらって、そこから作り上げていく感じ。社長に出すものは、ある程度形になってないとお話にならないじゃないですか」
自分の考えをAIまめこ社長にぶつけることで、思考が整理されていきます。そしてより洗練された状態で、人との対話に臨むことができるそうです。
AIまめこ社長は「答えをもらう場所」ではなく「考えを深める場所」として機能していました。
「変えちゃいけないもの」と「変えていくべきもの」
岡村さんは以前、汎用AIも使っていました。でも何かが違うと感じていたといいます。
── 汎用AIとAIまめこ社長の違いは、どこで感じましたか?
「うちにも、変えちゃいけないものと、変えていくべきものという2つがあって。変えてはならないもの——理念とか、会社が大事にしてる想いみたいなものから生まれることであれば、AIまめこは活かせると思います。逆に、あの子が今どういう状況か、どう成長しているかっていう話は、やっぱり直接じゃないと。リアルタイムな情報を社長に伝えた上でフィードバックをもらうのは、AIではなかなか追いつかないところかなと思っています」
汎用AIはどんな質問にも答えようとします。
しかしAIまめこ社長は、豆子郎の理念を軸に問いを返してくる。まず「軸合わせ」から入るその姿勢が、汎用AIとの最大の違いでした。
普遍的な軸をAIに任せ、変化する状況への判断は人が担う。
その組み合わせが、豆子郎の組織の中で機能し始めていました。

日常の活用 ── 思考力の衰退という懸念が、和らいでいったわけ
懸念は完全には消えていない、と岡村さんははっきり言います。それでも、AIまめこ社長の問いかけの「形」が、少しずつその見方を変えていきました。
——最初に感じていた「考える力の衰退」という懸念は、今どうなっていますか?
「AIまめこが日報の中で投げかけてくれる問いが、考えさせる関わりになっているんです。答えを渡すんじゃなくて、『こういう瞬間はどうでしたか』『そこから何が得られましたか』って聞いてくる。それを見ていて、使い方次第だなとは感じています」
——周りのスタッフの変化を感じる場面はありますか?
「パートナーさんが毎日日報をやってくださっていて、なかなかコミュニケーション取れなかった日とかも、AIまめこが心の安心材料みたいなものになってるなっていうのは感じていて。
窓口でお客様対応した後にAIまめこと相談して、それが社内に共有されていく流れが生まれてきていて。
懸念を持ったまま使い続けてきたからこそ、岡村さんの視点には深みがあります。「思考を奪うかもしれない」という問いを持ち続けながら、それでも「欠かせない」と感じる場面が増えていった——その両方が本当のことだと、岡村さんは語ります。
こんな企業におすすめ ── 「ブレない軸」がある会社だからこそ
最初に懸念を抱いていた岡村さんが、今のAIまめこ社長との付き合い方をどう見ているのか。最後に聞きました。
── 今のAIまめこ社長の存在を、一言で表すとしたら?
「AIまめこは欠かせない存在になってきてるなって感じる瞬間が多いです。後輩の育成でも、自分の企画整理でも、誰かと接する前のワンクッション——自分をセットアップする場所として。曖昧なまま一旦投げていい相手がいるっていうのは、仕事の進め方が変わりましたね」

編集後記
「AIは思考力を奪う」という言葉を、最近よく見かけます。答えを検索するように使えば、確かにそうかもしれない。でも今回、岡村さんのお話を聞いて、それとは全く逆の景色を見た気がしました。
AIまめこ社長が日報の中で投げかけるのは、答えではなく問いです。しかもその問いは、豆子郎の理念に根ざしている。だから「考えさせる」関わりになる。
AIが思考を奪うのではなく、AIが思考のきっかけをつくっている——その逆転が起きていたのは、豆子郎という会社にしっかりとした理念の軸があったからこそだと思います。
岡村さんが語っていた「変えちゃいけないものと、変えていくべきもの」という言葉も、印象に残っています。この線引きができるのは、そもそも守るべき軸が明確だから。理念があいまいなまま時代が変わると、会社らしさはじわじわと失われていく。でも軸さえ明確なら、AIはその軸を現場に届け続けることができる。
地方の中小企業の中には、言葉にはなっていなくても、大切にしてきた考え方や文化を持っている会社がたくさんあると思います。そういう会社にこそ、AI社長は響くんじゃないか——そんなことを、この取材を通じて強く感じました。
初出: note.com
