Case Study

汎用AIでは「しっくりこなかった」MVVが、AI社長となら自分たちの言葉でつくれた

2026.3.2

汎用AIでは「しっくりこなかった」MVVが、AI社長となら自分たちの言葉でつくれた

── 福島県の会計事務所が「AIともえ所長」と43往復の対話で見つけた、本当の事務所の姿

「MVVをつくってほしい」とGeminiに頼んだことはありますか?
返ってくるのはきれいな文章ではないでしょうか。

どこかよその会社の話を読んでいるような、あの妙な違和感。
それが何なのかを、福島県の会計事務所の代表・今井智恵さんは、AI社長との43往復の対話を通じて言語化してくれました。

【導入事例サマリー】

企業名
今井智恵税理士事務所 / 株式会社今井会計事務所
業種・事業内容
税理士事務所・会計事務所(税務顧問、経営相談、記帳代行)
所在地
福島県福島市
代表者
今井智恵(代表税理士)
創業
1986年(創業者:父 今井明氏 より)
AI社長の名前
AIともえ所長
導入時期
2025年1月~

「Geminiに相談したMVV、なぜ『しっくりこなかった』のか」

今井智恵税理士事務所は、1986年に先代が創業した老舗会計事務所です。

今井さんは先代から受け継いだ理念を大切にしながらも、時代に合わせた言葉でMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を整理したいと考えていたそうです。

「GeminiにMVVを一緒に考えてほしいって相談したんです。でも返ってきたのは、確かに正しそうな文章なんだけど……どこかの会計事務所でも使えそうな内容で。うちらしさが全然ない」

汎用AIの答えは「正確」でした。
ただし、一般論としての、です。

「法令遵守」「誠実」「堅実」──どれも間違いではありません。
でも、先代から受け継いだ地域密着の信用や、「お客様に寄り添う伴走者」という今井さんが大切にしてきた姿勢は、どこにも映っていませんでした。

汎用AIには、その事務所固有の「歴史」と「文脈」を読み解く視点がありません。それが、しっくりこなかった理由でした。 

最初の一言が違った──「今井会計らしさから一緒に整理してみよう」

AI社長「AIともえ所長」に相談したのは、ある平日の夕方でした。

今井さんはSlackのスレッドに「事務所のMVV一緒に考えて!」とメッセージを送信。汎用AIなら、このタイミングでMVVのテンプレートを出してきます。

ところが、AIともえ所長の最初の返答はこうでした。

AIともえ所長
「めちゃめちゃ良い提案だね!どこから始めたいか教えて!それとも、まず『今井会計らしさって何だろう?』から話し合ってみる?」

「テンプレートじゃなくて、まずうちのことを聞こうとしてくれた。それだけで、あ、これは違うって思いました」
と今井さんは当時をこう振り返ります。

AIともえ所長はまず「今井会計らしさ」を掘り下げることを提案しました。

先代から受け継いだもの、地域との関係、お客様との向き合い方──
まるでベテランのコンサルタントが「御社の話を聞かせてください」と言うように、先に問いを立てたのです。

「お客様ありき」──対話の中から経営者自身の言葉が生まれた瞬間

今井さんとAIともえ所長の対話は、想定以上の深さに踏み込んでいきました。

今井会計らしさとは何か、という問いに今井さんが言葉を絞り出すたびに、AIともえ所長はそれを丁寧に受け止め、さらに深掘りを続けます。

「徹底的に調べる、は専門家として追加したいな」と今井さんが言えば、

AIともえ所長
「その通りだね!『徹底的に調べる』は今井会計の専門家としての根幹だよ。」

ひとつひとつの言葉を確認しながら進む中で、今井さんの口からこんな言葉が出たそう。「お客様ありき、だからお客様との関係性かな」

AIともえ所長
「めちゃめちゃ良い判断だね!『お客様ありき』っていうのが今井会計の本質だと思うよ。」

汎用AIならこの言葉を「顧客第一主義」と翻訳してテンプレートに当てはめる出力を返すでしょう。

しかしAIともえ所長は違いました。

「お客様ありき」というそのままの言葉を軸に、ミッション・ビジョン・バリューの全体を組み立て直し始めました。経営者自身の生の言葉が、そのままMVVの骨格になっていく──そのプロセスに、今井さんは「これが欲しかったもの」という確かな手応えを感じたそうです。

この事務所だけへの提案──「ミッションとビジョンの重複」を見抜いた瞬間

MVVの文章が固まりかけた頃、今井さんはあることに引っかかりを覚えました。それは、ミッションにもビジョンにも「専門家」という言葉が入ってしまうこと。

「専門家がミッションとビジョンで出てくると並べたときにくどいかな?」と問いかけると、AIともえ所長はすぐに反応します。

AIともえ所長
「すごく良い指摘だね!確かにミッションとビジョンで『専門家』が重複すると、並べた時にくどく感じるかもしれないね。」

そのうえでAIともえ所長は、3つの代替案を即座に提示しました。

さらに「どちらの方向性が今井会計らしいか」を問いかけながら、ミッションで「専門家」を強調する案と、ビジョンで「専門家」を強調する案に整理しました。

これは汎用AIには難しい判断です。汎用AIはMVVの「良し悪し」は判断できますが、「今井会計らしいかどうか」という判断基準を持っていません。

AIともえ所長が今井会計の文脈を積み重ねてきたからこそ、「この事務所にとって何がくどいか」を見抜けます。
最終的に今井さんが選んだのは、この言葉でした。

今井智恵さん(確定ミッション)
「お客様の事業に真摯に向き合う専門家として、共に永続的な成長・発展を目指し、地域社会の繁栄に貢献する」

今井さんも「いいな!決定!」と即答しています。
自分でも驚くほどスムーズに決まった、と後から振り返っていました。

汎用AIではなくAI社長だったから──経営者が感じた「納得感」の正体

完成したMVVを見た今井さんは、汎用AIで試みた時との差を改めて実感したそうです。

「ChatGPTが出してきた文章は『正しい』んです。
でもAIともえ所長が一緒につくった言葉は、うちの事務所の話だって分かる。職員に共有した時に説明しなくていい。言葉に背景があるから」

汎用AIとAI社長の違いを一言で言うなら、
「どの会社にも使える答えをくれるか、この会社だけの答えを一緒に探してくれるか」です。

汎用AIは膨大な知識を持っているが、それを適用する「文脈」を持っていません。

一方、AI社長は今井会計の歴史、今井さんの言葉のクセ、先代から受け継いだ理念の重みを対話の中で蓄積し、それを基準に問いを立て、答えを整理します。だから出てくる言葉は「正しい一般論」ではなく「うちの話」になります。

今井さん
「ありがとう〜。職員にも周知しよう!あとHPにも載せよう!」

セッション終盤、今井さんからこんな一言が出ました。

43往復の対話の末に完成したMVVは、すでに職員への周知とHP掲載が決まっていました。「しっくりくる」という感覚は、そのまま「使える」という確信に変わっていたそうです。

「同じ悩みを持つ経営者へ」──自分の言葉で語れる理念があるということ

今井智恵税理士事務所の事例が示しているのは、「MVVづくり」の話だけではありません。

これは、経営者が自分の会社を「自分の言葉」で語れるようになるかどうか、という話です。

理念が「どこかの会社の話」のままでは、
職員には伝わりません。採用でも差別化できません。
お客様に選ばれる理由にもなりにくいのではないでしょうか。

でも「自分の言葉」で語れる理念があれば、朝礼で話せます。
HPに載せられます。職員が迷った時の判断基準になります。

汎用AIに「うちの理念を考えて」と頼んでしっくりこなかった経験があるなら、一度AI社長との対話を試してみてください。

AIともえ所長が最初に投げかけた問い
──「まず、今井会計らしさって何だろう?」から話し合ってみる?──
は、あなたの会社にも向けられています。

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AI社長に関するお問い合わせ
株式会社THA

初出: note.com

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